ファンダメンタル分析に対する不安について
僕は生粋のファンダメンタリストでファンダメンタル分析が大好きなのですが(テクニカル分析を否定しているわけではありません)、時として不安に陥ることがあります。
そしてそれはほとんどすべての投資家が一度は考えることでしょう。
何かというと、皆さんご存知のように「チャートは全てに先行している」という前提があります。そうであるならば、
ファンダメンタル分析をしたところで、それは全て過去のものを見ているにすぎないし当然チャートにも反映されているはずだから分析自体に意味はないのでは?
という風に考えるのは当然の帰結です。そうなるとファンダメンタル分析のやる気もでなくなるし、安全性も成長も十分な企業に投資したにも関わらず芳しい収益を得られないということになります。
仮にすべての情報が公表と同時に正しく分析され、割安割高株がコストもかからないで取引されるのであれば、ファンダメンタル分析は全く使えないものになってしまうでしょう。
インデックス投資信託は、そう考える人には非常に向いている投資手法であると言えます。
しかし多くの方々が言っているように、それでは面白くないし莫大な収益を上げることは難しいでしょう。そして現状市場はそこまで効率的ではないと考えています。
卑近な例で言いますと年末の株式の大暴落は悲観が悲観を呼び、歴史的な暴落と謳われましたが、今現在そこまで世界的な恐慌が起こる雰囲気があるかと言われれば疑問符が付きます。結果的に「悲観は買い」が正しい選択という風になりました。
このように、市場には理論価格とは乖離したミスプライシングされた株式がいくつも眠っていると経験則的に考えています。そもそも理論価格というのも、これはのちのちブログに書いていこうと考えていますが、理論価格にはかなり個人ないし機関投資家の主観的なものがまじっていますから、変な話理論価格が主体によって違うということもあります。長期的にはある価格に収束するのかもしれませんが、短期的に見ればファンダメンタルから分析されるような価値と異なるものはそれなりにあると言えるのです。
インデックス投信は一部の人間にかしこぶったバカのやることだのとヒソヒソされたりすることがありますが、個人的には以上のことをどう考えるか次第ではかなり賢明な選択だと考えています。少し前に書いた通り、個人投資家レベルがいくらファンダメンタル分析!といっても投資先と密に関わるような機関投資家にその情報量は勝てませんし、やっぱり限界があるのですよね…
しかしファンダメンタル分析は現代でもまだまだ有効であると断言できますし、腕に自信がある方はぜひともトライしてほしいですね。長期的に大きなリターンを得ている個人投資家の方は個人的にものすごく尊敬しています。