ROAはどう見るのか
ROAはROEと似たような指標ですのでROEを理解できれば簡単です。ですのでさらっと説明します。
ROEの記事はこちら↓
underthelinden.hatenablog.jp
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ROAは資本利益率の一つで、英語でReturn on assetsの頭文字をとったものです。総資産に対する利益率を指し、総資産利益率と言います。重要なのは、株主の持分に対する利益率を求めたROEとは違い、この指標では全ての資産に対する利益率を求めるものです。企業が自身が持つ資産をどれだけ効率よく使って利益を出したかを示す指標になります。
ROEの説明では、何の説明もなく利益には当期の純利益を用いましたが、ROAも当期純利益を利用して構いません。
ただし、時たま事業利益や経常利益等を利用することもあるので注意が必要です(事業利益とは営業利益に受取利息配当金と持分法による投資損益を足したものです)。
ROA(%) = ✖ 100
となります。
また分解すると
ROA(%) = ✖ ✖ 100
です。簡単ですね。
分解が意味することはROEの記事で詳細に説明しました。
分解の要素一つ目は売上高純利益率で、売上高に占める純利益の割合を示したもの。二つ目は総資本回転率で、資本の効率性を示したものでしたね。
この分解式は、商業の営業の流れを表している側面があるので是非とも頭にいれておいてほしいです。
ROAの目安は5%ほどと言われていますが、高すぎればそれでいいというものでもありませんし、ROAだけを見て企業を判断するのは危険です。
また業種によっても差がありますから、同業種内での比較も大切だと思います。
またROAは単に企業の全体を見る指標として使うのは当然ですが、子会社を持つ等様々な事業を行っている企業については、その企業集団をさまざまな部門(これをセグメントという)にわけそれぞれについてのROAを求めるのも効果的な分析方法だと考えています。例えば、ある企業が「化学事業」「石炭事業」「製紙事業」を持っていると想定します。その際、それぞれの売上が順に500万、100万、50万の時に売上だけを見ると「化学事業」が非常に優秀でその企業の本業であるとわかります。ここで、開示されている範囲のセグメント情報を用いて各々の事業の資本を利益を考え、セグメント毎のROAを求めて2%、5%、10%であることがわかると、今後その企業は「製紙事業」に力を入れそうだと予想でき、企業分析に非常に役立ちます。
このようにROAは単純な指標ではありますが、使い方次第では非常に効果的なものであるともいえます。
ROEとセットで是非押さえてほしいです。