駆け出しアナリストLindenの雑記帳

駆け出し証券アナリストです。個人投資家としてやっています。投資だけでなく色々なことを書いていきますコーポレートファイナンスが得意分野です。ついったー⇨http://twitter.com/Linden49606252

PERが必ずしも使えない理由

散々こすられたネタではありますが改めて…


前回の記事で価格は全てを織り込み済みである前提を書きました。今回もそれに絡んだ話になります。


いわゆるバーゲンハンターと呼ばれるような方々は、株価が暴落した直後に割安と判断した株を購入することによって利益を上げようとします。この時割安の目安としてPERを使う人間もいるでしょう。


PER=時価総額/期末の予想当期純利益


と定義します。ここで、株価が暴落すると当然見かけ上のPERが低下しますから割安と考えて購入に踏み切る方もいるかもしれません。ただし忘れてはいけないのは「価格は全てを先行する」という前提です。前回もお話ししたように価格に大きな影響を持つのは機関投資家ですが、彼らは企業訪問や独自の人脈を使って我々一般投資家が知りよしもない情報を集めた結果、予想に対して思った以上に業績が悪いことを察し早々に株式を手放している可能性があります。


どういうことでしょうか?例を持って示してみましょう。現在の時価総額が100、予想当期純利益が10とします。この時のPERは10です。ここで時価総額が50となった時見かけのPERは5ですから一見割安に見えます。しかし先ほど述べたように業績悪化が織り込み済みで例えば期末の当期純利益が5だったと仮定しますとPERは10で変わらず、必ずしも割安になったわけではなかったということになります。


大事なことは暴落に際して、機械的に「下がったら買い!」のようなことはしてはいけないということです。個人投資家レベルでは非常に難しいでしょうが、しっかりとしたリサーチをした上で自信を持てる株式のみを購入すべきだと考えています。